社民党・福島党首
「メディアの編集権に対する政治の悪質な介入であり、表現の自由に対する侵害。断じて許されない」
「事前検閲以外の何物でもない。NHKは予算との関係で政治家の圧力がかかりやすい」
民主党国対幹部「報道の自由に関する重大な問題だ」
一方、安倍氏は12日、「朝日新聞の報道では『安倍氏がNHK幹部を呼んで』となっているが、先方から進んで説明に来たのであって、当方がNHK側を呼びつけた事実は全くない」などとするコメントを発表した。中川氏も「当方は公正中立の立場で放送すべきであることを指摘したものであり、政治的圧力をかけて中止を強制したものではない」とのコメントを発表した。 (朝日)
安倍氏は同日発表した談話のなかで、事前に番組内容を知ったのは「関係者から情報が寄せられた」ためと説明。「事実関係を聞き、明確に偏った内容であることが分かった」ため、NHK側に申し入れたという。 (日経)
NHK関係者Aの話によれば、右翼の抗議行動の概略は次のようなものだった。一月二七日午前一〇時過ぎ、「NHKの『反日・偏向』を是正する国民会議」名乗る団体(維新政党・新風の西村修平氏が呼びかけて集めたもの)約三○人が、NHK四階正面玄関に押し寄せた。「二回目に放送が予定されている『日本軍の戦時性暴カ』は、昭和天皇を戦争犯罪人と決め付けるおぞましい番組である。NHKの目的は、戦争犯罪をデッチあげる反日洗脳だ」などと主張。「放送を中止せよ。担当者を出せ」と詰めより、応対に出た視聴者ふれあいセンターの担当者が「ご意見は伺うが、放送は中止しない。放送を見てくれ。公正な内容だ」と交渉に応じるなど、七時間にもわたり対峙していたが、一五時頃になると今度は大日本愛国党の街宣車六、七台が西口ゲートを突破して玄関まで乗りつけてきた。制服の党員二〇人ほどが建物の中まで入り、警察官が見守る中、一時間にわたって抗議した。
(1)放送時間の短縮 シリーズ全四回のうち、ほかの回はすべて四四分だが、問題の第二回は四○分。NHK広報局番組広報部(以下、広報)は「そういう例は頻繁ではないがある」と回答するが、NHK関係者Bは「異常な事態だと思う。四○分以上の番組が短縮された話は、一度も聞いたことがない」と話す。
(2)構成が前後の回の内容と重複 番組の冒頭に第一回目の放送を要約する内容が三分もあり、また番組後半には、第三回目で取り上げるはずの、現在起こっている戦時性暴力を裁く世界的な流れを紹介した内容が既に出てきている。このような構成は他の回にはなく、カットした部分を補うための苦肉の策ともとれる。
(3)タイトル変更、焦点定まらぬ内容 二回目の当初の番組タイトルは「第ニ次大戦・日本軍による性暴力」(『月刊ザテレビジョン」三月号)。あるいは「日本軍の戦時性暴力」(「法廷」の主催者に伝えられたタイトル)だった。広報は「一月二四日の段階で、番組制作サイドが正式タイトルの『問われる戦時性暴力』を編成に伝えた」とし、「タイトルが直前に替わることも時々ある」という。だが、タイトルからは「日本軍」の文字が消された。しかも、「法廷」の最大眼目である「責任者処罰」への言及がまったくない。つまり、「人道に対する罪」である日本軍戦時性暴力の責任者として、昭和天皇と旧日本の高官らを訴追し、判決(天皇有罪、国家責任)を下した事実が、見事に抜け落ちているのだ。そして女性たちが戦時性暴力の問題を「問い始めた」という意義だけを評価している。
(4)急遽挿入されたネガティブなコメント 秦郁彦・日本大学教授の「法廷」に対して疑義を連ねたコメントを二度、計約三分三〇秒も使っている。しかも彼に取材したのは放送二日前。突然の取材申し込みの印象を秦氏はこう語った。「永田ブロデユーサーは『嫌々来た』という表情でした。右翼の抗議があったので、内容を見た上司に言われて来たことは、だいたい察しがついた」。
(5)加害兵士の証言カット 「映像を使いたい」と依願された鈴木氏らのリアルな証言がカットされていた。旧日本軍兵士による"内部告発"だけに、組織的性暴力の実態が迫力を帯びて視聴者に伝わるはずだった。
安倍氏は、放送直前の2001年1月29日にNHK幹部と会ったことについて「NHK側が『予算の説明をしたい』ということで時間を割いた。その中で先方から党で話題になっていた番組の説明もあり、私が『公平公正な報道をしてもらいたい』と述べたのが真実」と説明した。 (産経)
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